11 月 11th, 2006
RSSと、インターネット広告ビジネスを扱った本。RSSが一般的になったのは、ユーザ自身がコンテンツを作成する仕組み(CGM)の普及があった。本書はそこから一歩進めて、RSSがビジネス上の機会とどのように関わるかを述べている。
日本国内では、おそらく2004年以降のブログ・ユーザの拡大により、RSSも広告市場での基盤を得た。RSS広告は、RSSのエントリに関連するテキスト広告やバナー広告を挿入することで成立するものである。その背景には、スパムメールの増大により広告メディアとしてのメールの衰退や、RSSや検索エンジンの発達の影響を受けた、固有ページへの直接アクセス増大によるトップページ広告の衰退などがあると本書は指摘する。
ネット上の書評サイトやAmazonのレビューで高評価を得ているのも、このあたりの考察にあるものと思われる。RSS広告の発達が、RSSの普及自体にあったのか、RSSリーダーの普及による潜在広告閲覧者の増大にあったのか、そのあたりははっきりしないけれども、Google AdsenceのようなコンテンツマッチをRSSでも可能にし、かつ市場が発達した背景がよくわかる。インターネット・サービス収益化の一角を占める広告ビジネスが、どのように成立するかという点でも、大きなヒントを与えてくれる。RSSに限らず、インターネットでの新規ビジネスを検討している人にとって役立つだろう。
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11 月 11th, 2006
Web2.0に即したホームページ制作提案をおこなうためのガイド本。ティム・オライリーによるWeb2.0論文以降の流れを詳しくおさらいし、成功を収めているインターネット・サービスを紹介している。単なるHP制作でない、少し変わった提案を行いたいと思っている業者に向いている。
しかし、そうした提案ができたから顧客満足に寄与するかといったら、疑問符をつけざるを得ない。この本では、Web2.0という一種あいまいな概念によって何が可能になり、どんなユーザ経験があらわれるかまではわかるのだが、それが顧客や顧客のビジネスにどのような恩恵があるかは語られてない。著者のいうWeb屋2.0になったから売上が伸びるかというと、それは不明のままである。
それが詳細にわかるのは、本書中ほどの事例集だろう。ここでは顧客の簡単なプロフィールと要求が述べられ、それに対して提案したWeb2.0ソリューションが紹介されている。しかし、提案後にプロジェクトが動いたかや、顧客がどのような反応をしたか、そのWebサイト開設で顧客の顧客にどのような影響を与えたかには触れられていない。顧客の企業プロフィールやインタビューもあってよさそうだが、全事例でそれがないとなると、残念ながら架空事例の域を出ないといわざるを得ない。BtoBではなく、BtoCサービスの収益化を検討しているならば、塚田耕司ほか:RSSマーケティング・ガイド(2006)の方がヒントが多い。
とはいってもこれは本書に限らず、おおむねWeb2.0の話題を扱うメディア全般に共通することだろう。それでもなお、Web2.0に関わるMBA的な言説を理解する上での入門書としては、役割十分と考えられる。
【関連書籍】
塚田耕司ほか:RSSマーケティング・ガイド (2006)
インターネット広告モデルによるBtoCサービスを計画する上で有益。
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8 月 6th, 2006
実際のセキュリティ・インシデントを当事者の視点で書いた、読み物形式の本。企業を舞台にした事件であり、企業規模や技術者のレベルも多様で奥行きのある本になっている。セキュリティの専門家である著者の解説も、インシデント対応の参考になる。
セキュリティ対策というと、技術的なものに思われがちである。しかし、技術的対策はインシデントが発生した後の想定はまったくしていないし、そんな役割も期待されていない。被害が表面化した場合、現場担当や管理職、経営者のすべてが被害最小化に動く必要があるが、本書ではそうした危機的状況でどんな動きをすればよいかが理解できる。
ストーリーの一例をあげると、例えば家族経営的な食品小売業では、インシデント後の復旧作業時に、技術者が些細な見落としをすることによって復旧が遅れ、被害が拡大している。あるいは全国的なシステムインテグレーターでは、左遷人事を逆恨みした犯人が、同僚のオンラインバンク口座から預金をすべて盗んだ例などもある。
こうしたストーリーの背景には、些細なミスやちょっとしたコミュニケーションの行き違い、安易な想定など、人間くさい事情が存在している。また、そうしたことが原因で、重大な事故が起こっていることに気づかされる。頑丈な鍵は防犯上の効果は高いけれども、鍵をかけるかどうかは人間が決めるのである。
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8 月 6th, 2006
近年成長が目ざましい、インターネット広告市場に関する本。広告主として参入する場合に知っておくべきことや、注意すべき点をまとめ、ネット広告メディアで効果をあげるための基礎知識を提供している。
本書の執筆動機には、著者をはじめとするマーケティング専門家にも、実務的なネット広告運用の知識が必要になってきた、という背景があるようだ。したがって、ネット広告に取り組む必要があるが、技術用語などがよくわからないという人向けに書かれている。
著者らのワークショップが、おそらく大規模企業の担当者で構成されていることもあってか、紹介されているネット広告のパートナー企業は、どこも高額の料金を設定しているところばかりである。だからといって個人事業主や中小企業では使えないかというと、そんなことはない。パートナー企業は別に探す必要があるかもしれないが、ネット広告運用に必要な基礎知識は大いに参考になるだろう。
例えば、PPC広告運用の着眼点として、ビッグ&スモールキーワードを厳選すること、広告クリエイティブのPDCAサイクルをまわすこと、ランディングページ(顧客が広告クリック後に到達するページ)をよく検討することなどは、注意すべき点であろう。SEOでは表示順位にこだわるのではなく、コンバージョンレートとガイドライン策定によるノウハウの蓄積を強調している点は、広告主の立場として冷静である。
また、Eメールマーケティングで顧客の維持と購買意欲喚起を狙うことなどは、類書である「1億稼ぐ! メールマガジン私の方法 (2005)」「メルマガ×ブログ×ホームページで儲かるしくみをつくる本 (2006)」と同じ立場であった。マーケティング担当者でなくても、ネット広告と自社のビジネスを結び付けたいと考えている人には、参考になるだろう。
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8 月 5th, 2006
アフィリエイト収入が毎月数万から100万超のアフィリエイターたちにインタビューをおこない、成功のエッセンスをまとめた本。抽象的な議論ではなく、実際に成果を得ているアフィリエイターの試行錯誤の過程が良くわかる。技術的側面は消化済みの人に向いている。
ほぼ共通しているのは、検索サイトからのトラフィックを得るためのキーワード需要を予想することと、キーワードに関連したコンテンツと商材を準備している点である。PPC広告を導入する場合も多いが、購買意欲の低いユーザばかりを呼び込んで失敗した例もある。こうした失敗をフィードバックして、さらにページを作り直すというPDCAサイクルを回し、最終的に大きな成果に結び付けているようだ (参考:@IT - PDCAサイクル)。
ツールを効率的に使って時間を有効活用したり、人手では無理な大量ページの生成を行う場合も多い。CVSファイルからHTMLファイルを大量作成するbpTranや、Amazon商品へのコンテンツマッチを実現し、Google AdSenceの代替広告にもなるlilbox、そのほかにもAccess、VB.NETを利用してプログラム化する場合などもあり、アフィリエイターが非常に勉強熱心であることがわかる。情報収集も怠りが無く、電脳卸など代理店からのメールや、オンラインの通販サイトなどを頻繁にチェックしているようである。
こうした内容を読んで、果たして彼らは楽しんでいるのであろうかという疑問を感じたが、実際に掲載されているサイトを見ると、アフィリエイター自身の興味と結びついたコンテンツを用意している場合が多いようで、相場師的なキーワード需要予測やコンテンツ作成に明け暮れているわけではないようだ。何冊かアフィリエイト関連の書籍を読んだが、収益化という観点では最右翼の一冊であると思う。
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